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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

6月の歌

八代 穣

 

 今はマンションが建っているが、子供の頃家の裏はアカシアの林が続いていた。晩春が過ぎ入梅に入ると、白いアカシアの花が咲き始める。雨の日枝に垂れ下がった白い花は、まるで少女のぬれた髪のようで趣がある。一転して晴天が続くと、林は蜂たちの楽園に生まれ変わる。学校からの帰り道、花の香りが風にのって匂ってくる。そして「ブーンブーン」と羽音が聞こえる。ボクはカバンを放り出しアカシアの林に入り6月の歌を聞く。甘ったる香りが辺りに漂い、蜜蜂や熊蜂が飛び交い花に群がっている。見ていると、蜜蜂は熊蜂を恐れる様子もなく、異なる羽音をさせながら仲良く花の蜜を吸っている。飛んで行く蜂、花から花へ移動する蜂、急降下で飛んで来る蜂……蜂たちはめまぐるしく動く。「ブンブンブン蜂が飛ぶ」の歌が聞こえて来るよう……花の蜜でお腹を満たした働き蜂たちは、どこに行くのだろう。きっと仲間のいる巣に帰るのだよ。感心な蜂たち……。
 
 「〇〇、おやつの時間よ」と家から母の呼ぶ声がする。ボクのおやつは、アカシア蜂蜜をぬったパンと蜂蜜が入った甘い野菜ジュースなのだ。美味しい蜂蜜を食べながら6月の歌を聞く。6月にしか味わえないページェント、私の少年時代の懐かしい思い出です。

 

(完)

 

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